今回は、法律的な話しになるのでちょっと難しいと感じるのかもしれませんが、とても大事なことであるため、最後まで内容を確認するようにしてください。
それは、風営法、または映像送信型性風俗特殊営業についてです。
そもそも風営法とは何か

Fantia(ファンティア)やmyfans(マイファンズ)、FANTUBE(ファンチューブ)にエロ作品を投稿しようと思っている人たちの中には、「風営法って何?」と思っている方々も多いことでしょう。
そのような場所でお金を稼ぐ行為は、風営法に規定された映像送信型性風俗特殊営業に該当するため、まずはその内容を理解しておく必要があります。
風営法とは、正しく言えば、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」ということになります。いちいちそんな長々とは言えないので、簡単に風営法と呼んでいるのですね。
アダルトファンサイトで稼ごうと思っているだけなのに、それが風俗営業と関係があるの?と思う方もいるかもしれませんが、ファンサイトでエロコンテンツを配信して稼げば充分に風俗営業であるのです。
風俗はデリヘルだけのことではない
風俗と言えば、デリバリーヘルスであったり、イメクラなどのことを言うのでは……という方もいるでしょうけど、法的に見ればそのようなものだけが風俗ではありません。
風営法では、以下のようなものを規制の対象としています。
ひとつは、風俗営業ですね。
風俗営業とは……、お客様に飲食や接待などを行ったり、一定の設備で遊興させたりする営業のことです。
さらに以下のような営業形態に分類することができます。
1号営業:キャバレーや、料理店、カフェなどと言った接待を行いお客様に遊興や飲食をさせる営業
2号営業:喫茶店や、バーなどと言ったお客様に飲食させる営業であり、客席の明るさが10ルクス以下の営業形態
3号営業:喫茶店、バーなどお客様に飲食させる営業であり、外部から見通すことが難しい、スペースが5平方メートル以下の客席を設けた形態
4号営業:マージャン店や、パチンコ店などの射幸心をそそる可能性のある遊戯をさせる営業形態
5号営業:ゲームセンターなどと言った射幸心をそそる可能性がある遊戯をさせる営業形態
お客様を接待をして遊興や飲食をさせるお店であれば1号営業に該当し規制の対象となります。
客席の明るさが10ルクス以下で営業すれば、2号営業に該当します。区画席を設けた喫茶店なども、3号営業に該当します。
ただし、アダルトファンサイトがここに該当する訳ではありません。
接待飲食等営業以外に、特定遊興飲食店営業があります。
これは午前0時~午前6時の時間帯で、お客様に遊興させ、アルコールを提供する営業形態です。これもアダルトファンサイトが該当する訳ではありません。該当するのはナイトクラブやライブハウスあたりのことですね。
そして、性風俗関連特殊営業があります。それは、性に関してのサービスであったり、グッズを提供したり販売したりする営業形態のことです。
であれば、アダルトファンサイトも怪しい……ということになるかもしれませんが、違うのはアダルトファンサイトという形態はネットを介し、ファンとは直接的に接しているわけではないことです。
それは、店舗型性風俗特殊営業でもなく、無店舗型性風俗特殊営業でもないのですが、次の風営法の映像送信型性風俗特殊営業のジャンルに該当します。
今後、アダルトファンサイトで稼ぐにあたり、この「映像送信型性風俗特殊営業」は頻繁に出てくるワードでもあるためしっかり勉強しましょう。(風営法のワードよりも頻繁に出てきます!)
アダルトファンサイトでエロコンテンツを配信し利益を得ようとすれば、映像送信型性風俗特殊営業に該当する

Fantia(ファンティア)やmyfans(マイファンズ)、FANTUBE(ファンチューブ)を利用して、エロ動画を投稿し稼ごうと思えば、その行為こそが、風営法に規定された映像送信型性風俗特殊営業に該当することになります。
そのような営業をしようと思えば、営業をスタートする10日前までには管轄の公安委員会に届け出を出す必要が出てきます。
映像送信型性風俗特殊営業の定義
映像送信型性風俗特殊営業……。漢字がたらたらと並び、非常に堅苦しい言葉でもあるのですが。
法律的には、映像送信型性風俗特殊営業は、ネットなどを活用して、主として性的好奇心をそそらせることを目的とする映像(動画も、静止画もです!)を配信し稼ぐ営業形態のことです。
有料でアダルト動画配信サイトを運営したり、個人の方々がライブ配信プラットフォームを利用して成人向けコンテンツを提供したり、有料サブスクリプションサービスでエロコンテンツを配信したりすることも、全部この法律の範疇です。
「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面、または衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業形態で、電気通信設備を使用し、そのお客様に当該映像を伝達すること(*放送や有線放送に該当するものは対象外)」が映像送信型性風俗特殊営業の定義です。
ごくごく簡単に言えば、エッチな動画サイトを運営したり、自作のエッチ動画や、画像をネットで販売する行動自体です。
性的好奇心をそそるためのものとは何?
定義には、「主として性的好奇心をそそらせることを目的とする映像……」とあるのですが、性的好奇心をそそるためのものとは具体的にはどういうことなのでしょうか。
それは、お客様に提供する映像に以下のようなことがだいたい2割以上含まれているケースだと解釈されています。
服を脱いで、大腿部を開く、陰部、臀部や胸部を誇示している、自慰、排泄、愛撫、または連想をさせる姿態、緊縛。
また、性的な場面で、セックス、セックスを連想させる行為、レイプなど凌辱行為、変態プレイなど。(放送であったり、有線放送は対象ではありません)
アートはどっち?
一方で、芸術の分野で女性のヌードが生々しく描かれることがあります。このようなものも性的好奇心をそそるためのものに該当してしまうのでしょうか。
「これはアートなんだ、決して性的好奇心をそそるものではない」と主張する方々はいるでしょう。
それはそれで納得できる主張ですが。しかし、それでもそのようなアートを見て、興奮してしまう人がいるのも事実でしょう。
芸術もエロに属するものであるのか。
なかなかこれはこうだとしっかり線引きすることは難しいのですが。問題が露呈したときに、様々な視点より具体的に判断・解釈していくことになるのでしょう。
このように性的好奇心をそそるためのものとは難しい面も持ちあわせているため、簡単に判断できないと思えば、届け出が必要か否かは一度専門家などに相談するといいでしょう。
届け出はしなくてもOKというケース
一方で、映像送信型性風俗特殊営業の定義から、届け出はしなくてもOKというケースもあります。
それは、無料で見られるエロコンテンツだけが提供されていることです。つまり、エロコンテンツで「稼ごう」と思えば、映像送信型性風俗特殊営業の届け出が必要になるのであって、収益化の仕組みがない場合は要求されません。
おおかた映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしなければならないのは、自身でアダルト動画配信サイトを運営したり、有料ライブ配信でエロコンテンツを提供したり、アダルトファンサイトでエッチ動画を投稿、かつ有料販売のケースです。
映像送信型性風俗特殊営業の誤解は頻繁に起きている

行政書士のホームページにおいても、既存する映像配信プラットフォームが法人として映像送信型性風俗特殊営業の届け出が済んでいれば、個々投稿者の届け出は必要ありませんと言った記載がチラホラとありました。
*私が過去書いた記事においてもその方針に従ってはいたのですが、現在は違うと言わざるを得ません。
なぜ、そのような事態が起きてしまうのかといえば、認識不足という問題でもなく、専門家のあいだでもまだ映像送信型性風俗特殊営業の届け出の必要性の解釈が分かれてしまっているからです。
myfans(マイファンズ)では

画像引用: myfans(マイファンズ)公式サイト
myfans(マイファンズ)の運営業者の方で、映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしているとされています。
そのため、それぞれ投稿者の方々が自分自身であえて届け出はしなくていいという記事も実際に多く出回っている現状なのです。
結論を急げば、現在は、業者が届け出をしていればOKということではありません。
投稿者の方々は、myfans(マイファンズ)というプラットファームと契約してうえで、個別に営業を行って利益を出しているのです。
Myfans(マイファンズ)に対して手数料を支払うということにはなるのですが、myfans(マイファンズ)と投稿者との関係はその程度のものであり、それぞれ投稿者は、それぞれが個人事業を行っている主であると見なされるようです。
映像送信型性風俗特殊営業の届け出を行うことを義務化の方針
myfans(マイファンズ)の公式ホームページを確認したところ、2024年7月5日、myfans(マイファンズ)運営業者は、今まではそれぞれ投稿者の判断という形に留めていたのですが、それぞれの投稿者に対して届け出を求めるとし、ほぼ映像送信型性風俗特殊営業の届け出を行うことを義務化しています。
警視庁が圧力をかけたのか、myfans(マイファンズ)自らが積極的にそのような判断に踏み切ったのかはわからないですが、言えるのは、映像送信型性風俗特殊営業の届け出がより重要視されることになったことです。
プラットフォームが投稿者からエロコンテンツを買い取って販売する者は自分自身でなくプラットフォーム側であると言う規約であれば、映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしなければならないのはプラットフォーム業者だけという考えもあるのかもしれませんが。現状そうではなく、自身がプラットフォームを介してエロコンテンツを配信し利益を得ているのであれば、誰もが映像送信型性風俗特殊営業の届け出が必要となります。
そうは言うものの……、myfans(マイファンズ)の現状を確認したところ、映像送信型性風俗特殊営業の届け出を投稿者がしていない状態でも収益を得ることができているようですが……。
それでも今後、すべての投稿者に対して厳しくチェックされることになるのかもしれませんし。今は、整備するための猶予期間であるのかも。
FANTUBE(ファンチューブ)では
画像引用: FANTUBE(ファンチューブ)公式サイト
FANTUBE(ファンチューブ)では利用規約に、
承認クリエイターが、専ら性的な行為を表す場面、または衣服を脱いだ人の姿態の映像を配信する場合には、原則として、風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律に基づき、映像送信型性風俗特殊営業の届出をしなければなりません。
とあります。
Fantia(ファンティア)では
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画像引用: Fantia(ファンティア)公式サイト
Fantia(ファンティア)では、
原則、配信内容において専らアダルト配信を伴う場合には、映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要となります。届け出の実施は、それぞれクリエイターの判断に基づきクリエイター各自で対応していただいています。配信状況・内容に応じて、判断の程をよろしくお願いします。
とあります。
映像送信型性風俗特殊営業届の届け出なしで営業を行った場合

みなさんが映像送信型性風俗特殊営業届の届け出をしないで配信業務をした場合、最悪、6ヶ月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金に処される可能性が出てきます。
結構、重たい罰をくらってしまうこともあらかじめ知っておかなければならないことですね。
ただし、こちらも未だ映像送信型性風俗特殊営業届の届け出なしのため懲役や罰金の罰を受けた人はいないようですが。(注意! 正確なデータではありません)
映像送信型性風俗の届け出をしているか運営側から確認される傾向が強くなっている
今までだって駄目は駄目だったけど、監視がゆるかったため見逃されていたということもあるでしょう。
まさに、Fantia(ファンティア)やmyfans(マイファンズ)、FANTUBE(ファンチューブ)などアダルトファンサイトの映像送信型性風俗特殊営業の届け出がそれに当たると言ってもいいのかもしれません。
アダルトファンサイトが登場したての頃であれば、警察の方でもそれがどのようなものか、どう対応していいかわかっていないようなこともあり曖昧になっていたということがあるでしょう。
しかし次第に、アダルトファンサイトの認知度や位置づけがしっかりしたことにともなって、法令遵守が要求されるようになってきたのです。
今までOKだったとしても、今後はNGであり、届け出をしないことで、容易に大切なアカウントが凍結されてしまうことになるかもしれません。
誰が映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしなければならないの?

どなたが映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしなければならないかといえば、それは、実際に投稿・配信を行い稼ぐ人です。
それは、運営業者側がまとめてできることではありません。それぞれ一人一人の投稿者の方々が、届け出をする義務があります。
また、ファンサイトにおいてアカウントはひとつだけではないという方々もいらっしゃることでしょう。そのような場合、基本ファンサイトでは、それぞれアカウントごと届け出はしなければならないとしています。そのあたりのこともご注意ください。
映像送信型性風俗特殊営業の届け出を行うためには「営業所(事務所)」が必要
そして、映像送信型性風俗特殊営業の届け出を行うために、投稿者の方々は、事務所をもつ必要が出てきます。
仕事をしている場所が自宅という場合もあるでしょう、また、レンタルオフィスを使っているという方々もいらっしゃるでしょう。
それでもいいのですが、届け出を行うときには必ず所在地を申請書に記載する必要が出てきます。
映像送信型性風俗特殊営業の届け出事項
公安委員会に対しての届出事項は以下のような感じです。
・営業開始届出書
営業開始届出書には以下を記載します。
- 氏名または名称および住所 法人の場合は代表者の名前
- 宣伝するとき使う呼称
- 事務所の所在地
- WebサイトのURL、電話番号
- サーバー設置者の氏名、または名称および住所
届け出書は別記様式第31号としてあらかじめ様式が決まっています。(警察署のホームページからダウンロード可能)
・営業の方法を記載した書類
別記様式第32号として様式は決まっています。(警察署のホームページからダウンロード可能)
18歳未満の人を利用することを禁止する措置などを記載します。
・事務所の使用について権原を有することを疎明する書類
事務所が自己所有のものであれば当然権限を有することになりますが、賃貸となればそういうわけにもいきません。
例えば、建物の一室を賃貸している場合、賃貸物件の所有者から映像送信型性風俗特殊営業をしてもいいという承諾が必要です。
賃貸物件の所有者の方が自身の物件で性風俗特殊営業がされているということを知らずに賃貸契約をしてしまった場合、なんらかのトラブルだって起こることがあるでしょう。
トラブルを防ぐためにも、賃貸であれば、以下の書類を準備します。
- 建物の登記事項証明書
- 建物賃貸借契約書
- 使用承諾書
・住民票の写し
申請者が個人であれば、住民票の写しが必要(本籍が必要)となります。
・定款、登記事項証明書、住民票の写し
申請者が法人であれば、定款、法人登記事項証明書、役員全員の住民票の写し(本籍必要)が必要となります。
定款に原本証明が必要となる警察署もあるのであらかじめ確認しておいてください。
役員の中に外国人がいれば、在留カードの写しも必要となります。在留資格の確認も必要です。風俗営業の仕事ができない在留資格であれば、届け出はすることができません。
映像送信型性風俗特殊営業の届け出は、受理され10日後から営業を行うことが許可されています。警察から連絡が来れば、届け出確認書を受け取りに行ってください。
やはり、法律的なことであり複雑さは否めません……。わからないときは、行政事務所などに代行してもらうことも考えるといいでしょう。
なんのために映像送信型性風俗特殊営業の届け出が必要なのか

そもそもなんのために映像送信型性風俗特殊営業の届け出をしなければならないのでしょうか。
それはいつでも健全な営業が確保されるためです。このような感じで届け出が義務付けられることで、活動自体が法律に適合したものであるのか、公安委員会が把握・監督しやすくすることができます。
このようなことによって、わいせつ物と判断されるエロコンテンツ配信を阻止したり、児童ポルノに該当するコンテンツの配信を阻止、また、18歳未満の利用を防ぐなどと言った措置を容易に講じることができるようになります。
また、それは営業の適正化のためにあります。
そもそも風俗営業の事業活動は社会的にも影響力がそうとう大きいため、法規制を厳格化し、透明な状態を維持する必要があります。
映像送信型性風俗特殊営業の届け出の制度は、事業が適正に運営を行うための大事な方法であるのです。
まとめ

映像送信型性風俗特殊営業に関する規定は、デジタル化の進展に対応し、オンライン空間における性風俗ビジネスを明確に規制対象とするために設けられたのです。
しっかりそのような法律的ルールにも従わなければ、一時稼ぐことが出来ても、高額の罰金を支払うハメになってしまうかもしれません。
ただエロコンテンツを提供してお金を儲けようというのはもはやNGです。
みなさんもこの記事を呼んで、どうぞ健全な投稿者となっていただきたいと思います。



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